残暑厳しい中、丁度この時期になると時々思い出す事があります。
私が大学1年の時の丁度今頃、近くの商店街にある小さなゲームセンターで、
夏休み限定のバイトをしてた時の事なんですが、
その日は私が早番の担当で、店長と二人で店を開けて店内で作業をしていると、
自動ドアが開いて一人のお客さんが入って来たのですが、
そのお客さんの普通じゃないいでたちに、
いつものように、「いらっしゃいませ」と言いかけた所で声が止まりました。
そのお客さんは上半身裸。
しかも恐らく自分で引きちぎったであろう、
ボロボロに引き裂かれた白いTシャツが腰辺りまでずり落ちていて、
履いてる黒いジーンズも穴だらけで裸足。
何故か顔や上半身や腕など、全身は異常なほど赤らんでいて、
のど元から腹にかけては無数の血のにじんだ引っかき傷があり、
目も血走りうつろで、訳の分からないうめき声を上げていて、
右手には工業用と思われる、大きなカッターナイフが握り締められていました。
しかも結構離れていたのにやたらとシンナーくさい。
もう完璧にシンナー中毒の異常者です。
見た瞬間にビビリまくりましたし、本気でゾッとしましたよ・・・。
これはとても話が通じたり対応できる相手ではないと思い、
まだ開店直後でお客さんは1人もいなかったので、
店長と二人で事務所の鍵締めて勝手口から逃げ出して、
大急ぎで入り口に回って防犯シャッターを閉めてその男を店内に閉じ込めた後、
公衆電話で警察を呼んだんですが、
最初は1台だったパトカーも徐々に数が増え、覆面合わせて5~6台がやってきて、
金属製みたいな盾と押さえ棒を持った警察官がわらわらと集まり、
まるで銀行強盗の捕り物でも始まったかのような騒ぎになったんですよ。
防犯シャッターは格子状になってたので、店内の様子が外から見えてたんですが、
男は店内で暴れまくりで、しかも凶器まで持ってるので、警察も容易に近付けず、
見物客も増えてきてもう大騒ぎに・・・。
2時間後くらいにすったもんだの末に男は取り押さえられ、
拘束されて連行されて行きましたが、
店内はめちゃくちゃになり、後片付けや処理がもう大変でした・・・。
店長もガックリ来ていましたが、後に警察からは犯人を店内に閉じ込めたおかげで、
お客さんや通行人への被害が出なかったと感謝されていました。
まぁ確かに人的被害が出なかったのは不幸中の幸いでしたが、
それでもとんだ災難ですよね・・・。
二度と御免な事件でした・・・。(^_^;;